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波志姫神社|高瀬山を見つめる子守と皮膚病の神

神庭諏訪神社の境外摂社である波志姫神社。のどかな田園風景が広がる中、ひっそりと鎮座するこのお社にはなんとも悲しいストーリーが残っているのです。それは470年前のこと・・・

 

波志姫神社のご祭神とご由緒

波志姫命はしひめのみこと

 

ハシヒメは戦国時代に名を馳せた高瀬城主 米原平内兵衛尉綱広公のご息女でした。神社のご由緒書きを引用します。

 

波志姫様は気品の高い、人情味厚い美しいお姫様でしたが、重い疱瘡にかかり、見るも気の毒なお顔になられました。成長されるにつれて神仏の信仰心が篤く、また幼児をたいそうかわいがられましたので、子供たちがみな上部に美しく育つようにと、熱心に神仏に祈願しておいでになりました。ところが当時この地にあった深い淵へ、波志姫様は妙齢であるのに投身せられたそうであります。

そこで世の中の人は、たいそう波志姫様のご心情をお慕いし、また尊びましたから、投身されたかたわらへ祠を建立し、お姿を刻み奉安しました。

 

美しさと気品を備えた年頃の女性ならば、顔にニキビができるだけでも落ち込んでしまうのに。まして見るも気の毒な程に疱瘡ができてしまったら・・・最後は身投げをする程に追い込まれてしまったというのは悲しいお話です。しかしハシヒメを慕う人々が500年近くもこの伝承を伝え、大事にお祀りしているというのも、生前のハシヒメがどんなに素晴らしい方だったのか伺えます。

 

波志姫神社は父が治めた高瀬山の方角を真っ直ぐ向いているのでした。

現在ではこの辺りに「深い淵」というのは無く、田んぼの用水路と畦道が見えるばかりですが、姫がここで亡くなったのだと思うと高瀬山が少し物悲しく見えてきます。地元の人々が「せめて御父上のいらっしゃった方角を向かせてあげよう」と思われたのでしょうか。

 

波志姫神社へのアクセス

神庭諏訪神社から徒歩4分。

駐車場などはありませんが通りが少ない為、路上駐車で参拝も可能です。ただし田植え・収穫シーズンは農作業車のお邪魔にならないよう、十分ご配慮ください。

 

まとめ

尼子と毛利の間で大いに戦い抜いた米原綱広公には、大事なご息女を失くしてしまったという悲しいストーリーがありました。子供を大事に思うハシヒメの想いは、現代でも子供の安寧と皮膚病平癒に霊験ありとして、大切にお祀りされています。

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