スサノオの足取りを追ってたどり着いた場所。

高天原で問題を起こしたスサノオ。姉のアマテラスを怒らせてしまい、しばらく日本中を暗闇の世界にしてしまいます。これは有名なアマテラスの岩戸隠れ神話ですね。

 

【大和の神話】天照大神の岩戸隠れと神社神道の起源

 

こんな大問題を引き起こしたからには、タダではすみません!

そしてやはりスサノオは罰を受けていたのです!

その証拠が残る神社が、今回ご紹介する仰支斯里神社(かみきりじんじゃ)です。

 

仰支斯里神社の御由緒

古事記に見える天岩戸の後日談で、八百万の神々がスサノオを高天原から地上の奥出雲町「鳥髪山」に追放する際、天罰として「髪切り・爪切り」を与えたことに由来しています。

その昔、古老が神社の御由緒を写本する際、草書体(くずし字)の文字の一部を間違って写した為、読みと文字が分離してしまったとあります。

元々は「髪切」だった神社名だったのですが・・・

 

「髪」の間違い

「髟」(ひょう)と「友」の二文字として認識してしまったため、第一の書き間違えを起こします。

 

そしてさらにミスは続き・・・

「髟」「仰」とし、「友」「支」と誤写してしまうのです・・・

 

一度あることは二度あるという教訓ですね。。

そしてさらにミスは続きます。

 

「切」の間違い

「切」かな文字「期里」に書き換えてしまった

 

古事記が書かれた当時は、書物といえば全て漢字で文章を書いていました。特に古事記では漢字かな交じり文という、現代の日本語の原形ができた時代でもあります。

つまり、意味を持った漢字と、意味を持たず音だけを利用するかな文字を使って書かれるようになったのです。

古老は、この書き間違いによって、切るという意味を持った言葉を取り違えてしまったのです。そしてやはり、一度あることは二度ある・・・

 

「期」「斯」に誤写してしまうのです・・・

 

そして出来上がった仰支斯里神社という謎の名前。なんとドジっ子。

名前を間違える・忘れるという事は、「もともといなかったのと同じ」になっていくものです。名前が残る事で認知され、大事にしなければならないと思われるはず。

 

これだけ誤写をしても「かみきりじんじゃ」という音が無くならなかったのは奇跡としか言いようがありません。また、氏子の方々が大事にしてこられた証かもしれませんね。

 

スサノオ降臨後の足取り

八岐大蛇神話によると、出雲の鳥髪山に降臨したスサノオは斐伊川のそばを歩いています。斐伊川に箸が流れてくるのを見て、上流に人が住んでいるという事を知ったスサノオは、上流の方へ歩いて行ったとあります。

そこでヤマタノオロチにおびえている稲田姫の親子と出会う事になるのですが・・・

 

斐伊川の水源地というのは、スサノオが降臨した船通山その地なのです。稲田姫の実家と思われる稲田神社は、仰支斯里神社とのちょうど中間地点。つまり、川を下っている最中に箸を見つけて、船通山の方角へUターンしたという説。降臨して間もなく天罰を与えられ、意気消沈しているところに箸を発見、稲田神社へ!という説が考えられます。

 

日本書紀説のスサノオ降臨地、鬼神神社を起点に考えると、稲田神社は斐伊川上流方向と言えなくもないかもしれませんが・・・

 

また、もっと下流の方向に長者屋敷という、稲田姫の両親が暮らしていたという屋敷跡があります。稲田神社には稲田姫が生まれたときに産湯に使われた場所などがあるため、もしかすると長者屋敷は両親が新婚の頃に住んでいた屋敷かもしれません。

 

仰支斯里神社の本殿

御本殿は大社造り、千木は出雲系の男千木。

御神紋はうっかりしていて記録していませんでしたが、写真で判別する限り亀甲紋です。

社殿は南東を向いています。

 

この鎧兜のような装飾、以前参拝した香取神宮のデザインに似ています。そういえば香取神宮も南東の方角を向いていました。。関係ないかな?

 

仰支斯里神社の御祭神

天之狭霧神(アメノサギリノカミ)

 

この神様は山の神である大山祇(オオヤマツミ)と、野の神である鹿屋野比売(かやのひめ)の御子。霧の神にして、異世界との境界線の神と言われています。

特に山は昔から、神様のいらっしゃる場所として信仰され、山にかかる霧というのはまさに、神の暮らす山と人間の暮らす地上とを隔てる存在だったのでしょう。

 

仰支斯里神社の御神体

天罰によって切られたスサノオの遺髪三筋

 

ついにたどり着きました。スサノオの体の一部をご神体にしている神社というのは他にあるのでしょうか?これは貴重な遺物ですね。もちろん拝見することはできませんので、お社の前で想像を膨らませるしかありませんが・・・

 

 

仰支斯里神社の境内摂社

三柱社

三貴子の神

 

イザナギの禊から生まれた尊い三柱の神様。つまり、アマテラス・ツクヨミ・スサノオの三柱を指します。

 

 

 

天王社

素佐之男神(すさのおのかみ)

 

 

 

堤社

木花咲夜姫神(このはなさくやひめのかみ)

 

 

仰支斯里神社へのアクセス

JR木次線 出雲八代駅を下車後、徒歩9分です。

神社には駐車場などありませんので、自動車でお越しの場合は神社前に路上駐車となりそうです。周辺は閑静な住宅街ですので、ご近所迷惑にならないようにお参りしましょう。

 

まとめ

スサノオへの天罰として切られた髪がご神体の神社。

古老のドジによって書き間違えられた社名。それを補うだけの氏子さん方の崇敬の篤さ。どこをとっても他の神社にはない、ちょっと違った魅力がありますね!

 

スサノオ降臨後の足取りは若干謎が残ります。いずれにしてもヤマタノオロチとバトルを繰り広げた場所はこの辺りからさらに斐伊川を下った北西に位置しています。

スサノオの足取りは神様の住む山の世界から、斐川平野の方角へと展開していくのでした。。

 

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