【吉兆さん】泣く子も黙る番内が練り歩く不思議なお祭りとは?

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お正月の3日の早朝。出雲大社では新年を祝う吉兆さんというお祭りが行われます。一見普通の新年を祝うお祭りのようで、少し様子が違う不思議な点があるのです。

吉兆さんとは?

吉兆さんとは高さ約10m、幅1mの大幟(おおのぼり)のこと。

幟の先端には金色に輝く剣があり、その剣には日・月を描いた扇が付けられています。写真では切れてしまっていますが・・・

また、幟には歳徳神(さいとくしん)と書かれています。

歳徳神とは?

歳徳神とは新年にお迎えする神であり、別名を年神様、お正月様とも呼びます。正月になると各家庭に降りて来ると信じられており、そのために歳徳神が降臨するための御神木である門松を飾り、お供え物である鏡餅を飾るなどの準備をして待ちます。

また、旧暦正月に恵方巻をかじるときに向く方角というのは、歳徳神が鎮座する方角なのです。歳徳神が鎮座する方角は毎年変わります。これは陰陽道に基づいた考え方です。

吉兆さんの祭りの流れ

町ごとに吉兆さんが担ぎ出され、笛や太鼓の音を鳴らしながら出雲大社へと向かいます。毎年10組以上が町を練り歩き、出雲大社本殿に参拝。

出雲大社へ向かう道中、威勢のいい神謡(かみうた)が歌われます。それは大社神謡「八雲立」という歌なのですが、、

めでた それ 若枝も

栄ゆる 葉も

八雲立つ

山は鶴山 亀山の

間を流るる 吉野川

素鵞川の流れの その水を

神酒に造りし 諸白を

神明に捧げ奉り

それを人々 戴けば

齢を延ばす ためしかや

お祝い

なんともめでたい歌詞です。「八雲立つ~」とは和歌では、出雲の枕詞となる言葉です。これは出雲の神である素戔嗚尊(スサノオ)、あるいは八束水臣津野命(ヤツカミズオミズヌ)が詠んだ和歌が起源だとされています。

吉兆さんの不思議!泣く子も黙る番内とは?

吉兆さんにはなぜか恐ろしい顔をした番内(ばんない)という存在があります。

これは厄年(42歳)を迎えた男性が恐ろしい仮面をかぶり、きれいな神楽のいでたちに着替え、吉兆さんの先導役を務めるというものです。もう顔だけでも子供が泣くレベル。出雲に住んでいる子供はこの番内さんが怖いのです。。。

そしてさらに子供を泣かせる要素があります。

番内は手に持っている青竹で地面を力いっぱい叩いてまわるのです。もうこれには鬼が暴れているようにしか見えない。。。

子供のころは本当にこれが怖かったものです。近年では少し控えめに叩くようになられましたので、怖がらない子供もいたりして、それはそれで少し寂しくもあります。ちょっとだけ子供が怖がる存在でいて欲しいような。そんな感じです。

この地面を叩くという行為は、「悪魔祓い、悪魔祓い」と叫びながら行われ、穢れを祓い清める意図があるのです。古来、厄年とは一人の大人として責任感を持てるようになる年と言われ、村の大事なお祀りごとを任されるようになる年です。番内さんはこうした厄年の男性が最初に任される大事な役と言えます。

まとめ

新年を祝う賑やかな祭りに、番内という泣く子も黙る存在。大社町に古くから残る伝統芸能です。

番内とは東北の「なまはげ」のように、恐ろしい存在として出雲の子供たちの心に残り続けます。そして大人になると、その役をいただく。不思議だけどこうした祭りが少しも変わることなく残っていって欲しいと願います。

1月3日の出雲大社への初詣はくれぐれもお気をつけください。吉兆さんの行列で車が進まない時間帯があったり、こわーい番内さんに子供が大泣きなんてこともあるかもしれませんね。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

皆様に素敵なご縁が結ばれますように!

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