出雲大社から南東に16km。

八岐大蛇神話に関係する重要なお社があります。

その名を久武神社(くむじんじゃ)と言います。

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出雲風土記には「久牟社(くもしゃ)」と記載されています。

つまり雲に関係したご由緒を持っているのです。

天空に登って行くかのような

不思議な感覚になるお社です。

久武神社の御祭神

ご祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)です。

古事記によると、大国主命の6代前の御先祖様であり、天照大御神の弟神と伝えられています。

出雲の神話では八岐大蛇を退治した神様としても有名。

荒ぶる八岐大蛇を退治し、三種の神器のひとつ天村雲(あめのむらくも)を取り戻し、天照大御神に献上なさいました。

そして日本初のお嫁さん「クシナダヒメ」を娶り、日本初の結婚をなさいました。

また、その時にお詠みになった和歌は「日本初の和歌」としても有名です。

櫛稲田姫についてはこちらをご参照ください

【クシナダヒメ】日本初の和歌と日本初の結婚式

 

 

久武神社の御由緒

須佐之男命がご結婚された時、詠まれた和歌。

「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣造る その八重垣を」

この和歌が示す

この雲こそ「久武神社」の地でご覧になったと、神社のご由緒は伝えています。

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実はこのお社、須佐之男命が櫛稲田姫を

「かくまった場所」と伝えられています。

八岐大蛇を退治にお出かけになる前、このお社の地に姫をお隠しになってから出陣されたのでしょう。

※八岐大蛇神話についてはこちらをご参照ください

八岐大蛇を退治すると、このお社に姫をお迎えにいらっしゃった訳です。

須佐之男命と櫛稲田姫は、これからの二人の明るい未来に思いを馳せ、空をご覧になったのでしょう。

その時の雲はまさに、これから始まる新しい人生の門出を祝うかのように、

「次々と八雲が立ち出でる」という様子だったのです。

古い言葉で「八」とは「無限」を意味します。

八つの雲という意味ではなく、無限に雲が生じていたのでしょう。

出雲という土地は現代でも雲の多い空模様です。

見慣れない方はさぞ、「どんよりして陰気だ」とお感じになるかもしれません。

私も若いうちは曇り空や雨が大嫌いでした。

しかし、年齢を重ねるうちに「曇り空とは何とも恵まれているのか」と感じるようになりました。

暑くもなく、日差しの強さに出歩くことが憚られるような夏はありません。

雨が多く降り、植物が良く育ち、春にはまぶしいばかりの新緑に恵まれます。

出雲はまさに「八雲のいづる国」。

古事記によれば雲が出るから「出雲」と呼ぶのだという事なのです。

余談ですが、出雲の旧家には別の由来説があります。

その由来とは、古い呼び方で出雲は「出芽(いづめ)」であると。

豊かな自然があり、春には新緑のまぶしさが素晴らしいという事から名付けられたそうなのです。

いずれの説が正しいかは置いといて、出雲という場所は大変恵まれた素晴らしい場所であることがわかります。

久武神社の謎

八岐大蛇神話に関係するご由緒には二つの疑問があります。

神話や古事記の記述に基づいて建てられた神社でしょうから、当然と言えば当然なのですが、この神話の場所として比定される地には食い違いが多いです。

久武神社の謎その1

八岐大蛇の脅威から櫛稲田姫を守るため、須佐之男命は姫を櫛に変えたと伝わっています。

しかし、こちらのお社では「姫をかくまった」と、すごく現実的な事が書かれています。

実はこの「かくまった説」は、近くの神社にも共通してみられます。

八重垣神社という神社にも「姫を隠すために八重垣を造った」と伝えられています。

このような神話の食い違いは大変興味深いものです。

久武神社の謎その2

久武神社と対になる神社として「八重垣神社」があります。

実はこの2社の位置関係には興味深い謎があります。

八岐大蛇を退治したとみられる船通山。

櫛稲田姫をかくまられたとする久武神社と八重垣神社の位置関係を見てみましょう。

船通山からの下山ルートを出雲市の方にとると久武神社、松江市の方にとると八重垣神社。

そしてその三ヵ所を結んだ三角形の中心あたりに、須我神社というお社があります。

この須我神社は須佐之男命と櫛稲田姫が、ご結婚され住まいとされたお社だと伝わっています。

ちなみ二柱の神が最初に住まいとされたお社には、八重垣神社も名乗りを上げています。

まとめ

櫛稲田姫をかくまった場所とされる神社は2社あり、 久武神社と八重垣神社です。

須佐之男命と櫛稲田姫がお住まいになったとされる神社は2社あり、八重垣神社と須我神社です。

まとめてみると、八重垣神社すごいですね。

次回は八重垣神社について書いてみます。

久武神社へのアクセス

最寄りの駅が直江駅となりますが、直江駅から久武神社への公共交通機関は通っていません。直江駅からはタクシーなどでお越しになるしか手段がありません。

出雲大社からお越しになる場合は一度出雲市駅までバスか一畑電鉄をご利用になり、出雲市駅からはタクシーで目指されることをお勧めします。

しかし、コスト感を考えればレンタカーなどをご利用になる事をお勧めします。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

皆様に良いご縁が結ばれますように!

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