のどかな田園が広がる出雲市東福町。ここにある久多美神社(くたみじんじゃ)には、オオクニヌシの足跡が残っています。オオクニヌシが仰った言葉が地名由来になっているのですが、祀られている神様にも謎が・・・早速ご紹介していきましょう。

 

久多美神社の御由緒

出雲風土記に見る久多美社

 

-出雲風土記 楯縫郡-

所造天下大神が天御飯田の御倉をお造りになるための場所を求めて巡りなさった。そのとき、「波夜佐雨久多美乃山」と仰った。だから久多美という。

 

所造天下大神(オオクニヌシ)が、天御飯田(あめのみいいだ)の御倉、つまり田んぼから取れた大事なお米を保存しておく倉を作るため、最適な場所を探し求めたということですね。

このような神の巡業は出雲風土記の中にたくさん出てきます。一見濃厚に適した土地を探す行為に見えますが、国にするのにふさわしい場所を探し求める旅でもあるのです。

 

ここ東福町はオオクニヌシの御倉があった場所だと思って見渡すと、悠久の時を感じてしまいます。のどかでいい場所です!

しかし、出雲風土記にはなんと久多美社と名乗る神社が3つも記載されているのです!!

 

久多美神社の御由緒書き

-神社の看板より抜粋-

出雲風土記には久多美神社の記述が三社あり、その一つは久多見町寺床にある大国主命を祀る社で、他の二社は久多見町埋女(うずめ)にあった三女神を祀る埋女社と、久多見町池田に五男神を祀る池田社である。久多美神社は池田社の分霊を訪遷した神社であり、境内の三女神社は埋女社の分霊を遷した社である。

 

もともとは三社ともちゃんとあったという事ですね。大字名がどのあたりを指すのかは分かりませんでした。しかし、池田という場所から現在の東福町までは距離があるらしく、遠い地を飛び越えて遷座したことから飛田大明神(とびただいみょうじん)と呼ばれたそうです。

その後、江戸時代に松平氏が富田大明神と改名したとのことです。

 

もともと3社あった内の2社が久多美神社として統合したのですね。あと1社は近くにある玖潭神社(くたみじんじゃ)なのです。これは次回参拝してみましょう。

 

久多美神社の御祭神

正哉吾勝々速日天忍穂耳命

(まさやあかつかつはやひのあめのおしほみみのみこと)

天穂日命(あめのほひのみこと)

天津彦根命(あまつひこねのみこと)

活津彦根命(いきつひこねのみこと)

熊野久須毘命(くまのくすひのみこと)

 

五柱の男神が祀られています。この五男神はアマテラスとスサノオの誓約(うけい)によって生まれた神様。特にアマテラスの装飾品から誕生したこともあり、アマテラスの息子たちとされています。

この中の天穂日命こそ、国譲りの最初の使者として派遣され、現在の出雲大社宮司家系につながっていく神様なのです。

しかし謎なのは、オオクニヌシが倉を作る場所を探してたどり着いた場所に、アマテラスの息子たちが祀られているとは、どういう意味なのでしょう・・・?

 

久多美神社の境内

御本殿

社殿は大社造り、千木は男千木、御神紋は二重亀甲に剣花菱。

方角は南東を向いています。

 

三女神社(旧:埋女社)

多紀理姫命(たきりひめのみこと)

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)

多岐津姫命(たきつひめのみこと)

 

合祀:牧戸天満宮

菅原道真公(すがわらのみちざねこう)

 

稲荷神社&三方荒神

 

能登神社

大国主命(おおくにぬしのみこと)

大巳貴命(おおなむちのみこと)

神功皇后(じんこうこうごう)

應神天皇(おうじんてんのう)

武内宿祢(たけうちのすくね)

稲倉魂命(うかのみたま)

 

やっと登場したオオクニヌシのお名前。なぜに能登神社という社名なのかは不明ですが、八幡宮の神様と稲荷の神様が合祀されている事も由来しているのでしょうか・・・?謎です。

 

東郷天満宮

菅原道真公(すがわらのみちざねこう)

 

金毘羅神社

大物主命(おおものぬしのみこと)

 

このお社の下にはなぜか恵比寿と大黒の像が・・・

 

 

福富神社

恵比寿と大黒の二福神

稲倉御魂(うかのみたま)

 

さっきの恵比寿と大黒の像は、置き間違えかな・・・

 

荒神塚

福富神社の脇にある石段を登っていくと、このような塚にたどり着きます。荒神さんと言いながら、しめ縄をまいた龍神様も見えません。それどころか・・・

 

 

石碑も倒れている状態。間違って踏みそうでした。何とも残念な姿です。

 

狛犬

 

久多美神社へのアクセス

一畑電鉄の雲州平田駅から車で約6分。公共交通機関で目指すのは難しいです。久多美神社には駐車場がありませんが、隣にコミュニティセンターがあり、その前に駐車可能なスペースがあります。駐車場というわけではないので、常識の範囲内での駐車をお願い致します。

 

まとめ

オオクニヌシの足跡を追って辿り着いた久多美神社。落ち着きのある、いい場所でした!

もともと三社あったクタミ社のうち、二社を統合した神社。しかし主祭神はオオクニヌシではなく、アマテラスの息子たちという謎。

もう一つのクタミ社で謎解きを続けるしかなさそうですね!

 

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【玖潭神社】大国主命が巡ったクタミの地