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出雲大社の御本殿内に祀られている謎の神様「和加布都主命(わかふつぬし)」とは一体どんな神様なのか!?

出雲風土記に記載された和加布都主命に関する記述は2つ。

その1つはこの内神社(うちじんじゃ)に由来しています。

出雲風土記には「この地で和加布都努志命 がイノシシ狩りを行って捕り逃がした」というイノシシ狩りの逸話が残っています。

イノシシを捕り逃がした際に「猪が失(う)ちぬ」と仰ったことから、この地を内野と呼び、それが現代に訛って「大野」という地名になったのだと伝えられています。

この神社では出雲風土記の「うちぬ」から内神社と名付けたのです。

もう1つは美談神社でしたが、中世に御祭神が変わったり、周辺の神社を遷座・合祀された事で本来の御由緒が見えづらくなっていました。

神社に御由緒書きがない事も原因ですが…

そこで今回はこの内神社に和加布都努志命の足跡を求めた訳です。

 

前回の記事を読んでいらっしゃらない方はこちらを先にお読みください

出雲大社の御本殿で私たちは誰にお祈りしているのか?

【美談神社】和加布都努志命とはどんな神様?真実に迫る重要な神社

 

 

内神社の御祭神

1.和加布都主命(わかふつぬし)

2.下照姫(したてるひめ)

 

この神社の御由緒にはこの二柱が母を同じくするとは書いてないので、兄弟かどうかは分かりません。

二柱とも大国主命の御子であるとの記述になっています。

古事記では下照姫の兄として、阿遅須伎高日子根命(あじすきたかひこね)の神を挙げており、その母は宗方三女神の長女、タキリヒメとしています。

同じく古事記で宗方三女神はスサノオの御子とされていますので、下照姫はスサノオの血が色濃い家に生まれたと言えます。

和加布都主命が仮に下照姫の兄ということになれば、その正体は阿遅須伎高日子命ということに…?

出雲風土記では阿遅須伎高日子命は農耕の神、和加布都主命は牛飼いの神とされていますが…

この神社では和加布都主命を完全に経津主命(ふつぬし)と同一神とみなしているようです。つまり国譲りを迫った神です。

国譲りを迫った神が大国主命の御子だとは、矛盾だらけですね…

※国譲りを迫った使者として古事記ではタケミカヅチが、日本書紀ではフツヌシとタケミカヅチが派遣されています

 

国譲り神話(古事記)はこちらをご参照ください

【国譲り神話】日本建国に関わる重要な意味を持った神話〜前編〜

【国譲り神話】日本建国に関わる重要な意味を持った神話〜後編〜

 

 

フツヌシの件は横に置いておいて・・・

このお社、別名を高野宮(たかのみや)と呼びます。

これは紛れもなく下照姫が別名を高姫(たかひめ) とお呼びするからであり、なぜこのようにお呼びするかと言えば、美しかったからなのでしょう。

国譲りの使者として二番目に派遣された「アメノワカヒコ」は大国主命の御子、高姫の美貌に任務を忘れ、完全に出雲の民となってしまったほどです。

その美貌たるや下々(しもじも)の世界を照り輝かせるものだったのでしょう。そして下照姫と呼ばれたのです。

 

内神社の御由緒

神社の御由緒書きによると、元亀元年(715年)に現在の社殿の裏側(北側)にそびえる女高山に月輪の如く輝くものがあり、これを神様の降臨だと悟った村人が神垣を作って丁重にお祀りした。

その2年後の717年。

神威があまりに強いのを恐れた村人が、神占によって求めた現在の地に遷座した。

以降現在までこの地に鎮座しているのだと伝えられています。

この「月輪の如く輝く」という表現は「下照」という表現に通じるとは思いませんか?

つまりこのご由緒は下照姫の降臨を伝えたものではないかと想像されます。

そこになぜフツヌシという神の名前が加わったのか?

中世には毛利氏をはじめ、松江城主からの崇敬も篤く、明治時代を迎えるまでの間、特例を受け続けて来ました。

特例とは出雲国の二大大社である、出雲大社と佐太大社の支配を受けない「一社一例社」というものであったそうです。

どれだけ大事にされてきたお社かが分かりますね。。

政治の統治者からの崇敬が篤いということは、美談神社のご由緒でも見てきましたが、武家の拝みたい神様になっていくというものです。

 

内神社の御本殿

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大社造りで千木は男千木、出雲系神社を表していますが、拝殿のしめ縄は大和系です。

御本殿はやや南西を向いています。

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この神社の最初にくぐる鳥居はこれです。これしか見えません。

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しかし、御本殿が見つめるその先には・・・

本当の一の鳥居があり、

そして宍道湖を挟んだ反対側にもう一つの「高宮」があるのです!

これは一体何を意味するのか・・・

そしてさらにその先には石宮神社というお社があります。

このお社にはイノシシ狩り神話が存在するのです!!

どんどん深みにはまっていく和加布都努志命への探求。

下照姫の謎も加わり、さらに迷宮入り必死です。

 境内摂社

稲荷神社と社日碑

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御本殿が現在の地に遷座するまでは、北側の女高山にお祀りしていたとありますが、その女高山に一番近い位置、つまり本殿北側に鎮座する稲荷神社。

ご祭神は倉稲魂命(うかのみたま)となっています。

古事記では須佐之男命の御子です。

 

蘆原神社(あしはらじんじゃ)

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本殿右側に鎮座するお社。ご祭神は・・・

  1. 素戔嗚尊(すさのおのみこと)
  2. 稲田姫命(いなたひめのみこと)
  3. 大己貴命(おおなむちのみこと)
  4. 思兼命(おもいかねのみこと)
  5. 五十猛命(いそたけるのみこと)

葦原の中つ国とはいわゆる地上界のことです。

天照大御神の弟、スサノオが降臨してヤマタノオロチを倒し、イナタヒメと結婚して以降は、オオナムチ(大国主)が治めていた国です。その後、国を天照大神に返してもらう為、オモイカネが使者を選別し派遣しました。

イソタケルは日本書紀によると、スサノオの御子であり、一緒に地上に降臨してきたとあります。

葦原の中つ国の平定に関わった神を祀っているという事なのでしょう。

美保神社(みほじんじゃ)

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本殿の左側に鎮座しています。ご祭神は・・・

事代主命(ことしろぬしのみこと)

美保津姫(みほつひめ)

猿田彦命(さるたひこのみこと)

木花開耶姫命(このはなさくやひめ)

鈿女命(うずめのみこと)

倉稲魂命(うかのみたま)

 

コトシロヌシとミホツヒメは共に美保神社のご祭神。この摂社の名前に適っています。しかし、その他の神は出雲由来の神と色々混ざっています。

どのような経緯で合祀されたのか、よくわかりません。

立札には「漁業・交通・農業・芸事の守護神」とありますが、そりゃ確かにそうなっているけど、なんで?となります。。

 

まとめ

神様が降臨された「女高山」こと、現代では「本宮山」

このパワーが一番強い位置には稲荷神社が配置され、出雲風土記では和加布都努志命が強調されている地であるにも関わらず、下照姫の印象の方が強い。

神が降臨されたとする715年と言えば、古事記は712年に編纂されており、同時に風土記の編纂命令が出された時期です。

もともと本宮山にあった祭祀を、神社神道として固めていく際に出雲風土記がご由緒として利用されたのかもしれません。

「もとみや」という名前も意味深ですよね。

もっと深い理解を得るためには、宍道湖対岸の高宮神社と石宮神社を訪れる必要がありあそうです・・・

内神社へのアクセス

一畑電鉄「高ノ宮駅」から4.4km。

歩くと30分以上かかりますので、車でのアクセスをお勧めします。

神社には専用駐車場があります。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

皆様に良いご縁が結ばれますように!

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